10万円のお守りが教えてくれた・『買えない』じゃなく『買わない』という生き方

節約

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30代のあのころ、毎月がギリギリだった

35年ローンを20年で完済しました。
でも、完済できたのは何も最初から余裕があったからじゃありません。

そもそもの始まりは「家が欲しい」という気持ちの暴走でした。
家が欲しいという思いだけが先走って、ローンがこんなに大変になるとは思ってもみませんでした。

特に30代のころは収入も低く、毎月のローン返済はかなり大変でした。
今となっては懐かしい思い出ですが、あのころは本当にギリギリの生活でした。

でも今思えば、人生で一番高い買い物をしたおかげで、「何を選ぶか」の線引きができるようになりました。
それはお金の使い方だけじゃなく、自分の暮らしの軸みたいなものです。

そんな時期に、私がひそかに続けていたことがあります。

 

カバンの奥に10万円を忍ばせていた

30代の一番しんどいころ、5年ほど私はカバンの中に10万円を入れて持ち歩いていました。

最初は財布に入れていたのですが、スーパーなどで財布を開けると自然と見えてしまいます。
むやみに人に見せる必要はないし、リスク管理としても良くない。
だから途中から、布製の札入れ——確かお茶の懐紙を入れるような小さな布袋——に入れて、カバンの暗い奥底に隠すようにしました。

そのお金を、私は一度も使いませんでした。
財布から出したことさえ、一度もありません。

なぜ10万円だったのか

金額には意味がありました。

「出せなくはない金額」であること。
でも「ちょっと見栄が張れる金額」であること。
当時の物価で10万円といえば、2泊3日の旅行に行けるくらいの金額感でした。
20万円だと正直キツい。でも10万円なら、頑張れば出せる。

その絶妙な金額が、私には必要でした。

「お金はある。でも、私には必要ない」

このお金の本当の役割は、自分の気持ちを整えることでした。

買い物に出かけて、欲しいものを見つけたとき。
「買えない」と思うのと、「買わない」と思うのでは、心の重さがまったく違います。

カバンの奥に10万円がある。
だから私は
「お金はある。でも、これは今の私には必要ないから買わないだけ」
と自分に言い聞かせることができました。

「買えない」は惨めな気持ちになります。でも「買わない」は自分が選んでいる感覚。
その違いが、長い節約生活を続けるうえでとても大事でした。

このカバンの10万円は、私の心のお守りでした。

オリジナルではないけれど、私のものになった

正直に言うと、このアイデアは私が考えたわけではありません。
テレビかネットか、どこかのメディアで見聞きしたような気がします。
芸人さんが言っていたのかな……もう定かではありません。

でもいつの間にか、完全に自分のやり方として馴染んでいました。あの5年間があったから、私には合っていたのだと思います。

今の時代だったら?

今の私はほぼキャッシュレス生活です。
スマホとカードがあれば、現金はほとんど使いません。

だから今のりすねえに「カバンに10万円を忍ばせなさい」と言っても、正直ピンとこない。
あのやり方は、現金払いが主流だった時代だからこそ意味があったと思います。

では今の時代に置き換えるなら?

私だったら、普段は使わない口座に「絶対に手をつけない10万円」を入れておくかもしれません。残高を見て「お金はある。でも今は使わない」と思えれば、形は変わっても気持ちの整え方は同じですよね。

節約は「我慢」じゃなく「選択」

35年ローンを20年で完済できたのは、細かいテクニックよりも「自分が選んでいる」という感覚があったからだと思います。

お金がないから買えない、ではなく。お金はある。でも今の私には必要ない。

その言葉を自分にかけてあげられるかどうか——それが長く続けられるかどうかの分かれ目だったかもしれません。

くだらない話かもしれませんが、私にはこのお守りが必要でした。


【書いた人】
のらりくらりゆる〜く生活のストレスを排除しながらプチ節約をして、介護職でもひとりでも20年で住宅ローンを一人で完済。アラ還でFIREに辿り着いたりすねえです。

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