歯を守ることは、暮らしを守ることでした

節約

私は決して、歯がきれいなわけではありません。子供の頃は、歯の大切さなんて、そんなに感じていませんでした。

夜、面倒で歯を磨かなかったことも何度もありましたし、深夜ラジオの「オールナイトニッポン」を聴きながらお菓子を食べて、そのまま寝てしまうことも多々ありました。ありがたいことに、親は歯医者には行かせてくれたので、虫歯になれば治療はしていましたが、今のような「予防する」という考え方はありませんでした。

転機は、20年前の飲み会でした

歯科衛生士のイラスト
介護の仕事をしていた私が、歯磨きに向き合うようになったのは、今から20年前のことです。当時は「ケアマネジャー」という職業自体、まだあまり世の中に知られていませんでした。同期のケアマネ仲間たちと、よく飲み会をしていました。

その中に、もともと歯科衛生士をしていたという、同い年の女性がいました。ある日、彼女が歯磨きの仕方を話しながら教えてくれたのです。1本1本、表も裏も丁寧に磨いていて、1分間に10回くらいブラッシングする、という話でした。それを毎日やっているとのこと。
もちろん虫歯もなく、歯もきれいでした。

そんな磨き方をしている人が本当にいるんだ、と、とても驚いたのを覚えています。
少し真似してみたのですが、続きませんでした。結局、いつも通りの磨き方に戻ってしまいます。それでも、「歯はちゃんと磨かなければいけない」という彼女の言葉は、私の中にずっと引っかかっていました。

ただ、一つだけ分かったことがあります。この磨き方をすると、口の中がかなりきれいになるということです。ちゃんと磨けた夜は、朝起きても寝る前のまま歯がツルツルしていて、それだけで朝から気分がいいのです。反対に、ちゃんと磨けていない時は、歯の表面がざらついていて、「昨日はしっかり磨けていなかったな」とすぐに分かります。
こういう分かりやすい目安があることは、とても大切だと思っています。

歯磨き粉とリステリン、節約の工夫

歯磨き粉のイラスト
住宅ローンを返済していた頃の私は、とにかく無駄を減らしたいと考えていました。だからといって、何でも我慢していたわけではありません。「同じ効果なら、もっと無駄を減らせないかな」と、いつも考えていました。

歯科衛生士さんから「歯磨き粉は少しで十分」と聞いた時、「それなら歯磨き粉も長持ちするな」と思いました。1本1本丁寧に磨けば、歯磨き粉はほんの少しで済みます。

リステリンには、別の理由がありました。そのまま口に含むと刺激が強すぎて、すぐに吐き出してしまい、効果を感じる前にやめてしまうことがよくあったのです。

困った表情の女性のイラストそこで、リステリンを半分の量にして、同じ量の水で薄めて使うようにしました。

刺激が和らいだので、今度はきちんと口の中に留めていられます。長くくわえていられるぶん、口の中をちゃんと洗えるようになりました。原液を2秒で吐き出していた頃より、よほど仕事をしてくれています。

もちろん、薄めれば濃さは落ちます。それでも私には、原液をすぐ吐き出してしまうより、薄めて長くくわえているほうが合っていました。

そして、これが嬉しかったのです。1本1,200円ほどのリステリンが、倍もつ。1本あたり、実質600円になりました。刺激を減らすための工夫が、そのまま節約にもつながっていたのです。

漫画で知ったデンタルフロス

デンタルフロスの箱のイラスト
デンタルフロスを知ったのは、漫画がきっかけでした。外国のハンサムな男の子が、日常的にフロスを使っているという設定だったのです。当時、日本ではデンタルフロスはまだあまり馴染みがありませんでした。売ってはいましたが、歯磨き粉よりもずっと高く感じました。巻いてあるタイプなので、どのくらいの長さで、どのくらい持つのかも、正直よく分かりませんでした。

それでも私は使い続けていました。当時、日本で買うと1個500円ほど。パッケージには外国語が書かれていたので、たぶん輸入品だったのだと思います。

そんなある時、25年ほど前になりますが、タイのバンコクに行った際、現地のスーパーに立ち寄ってみました。すると、同じものが100円ほどで売られていたのです。日本の5分の1です。当時のタイは物価そのものが日本の半分以下でしたし、日本では輸入品でも、あちらでは普通に並んでいる日用品でした。

「ああ、外国では、毎日使う当たり前のものなんだ」と驚きました。私はそこで、何個もまとめ買いをして帰ってきました。今思えば、この頃から「良いものを、安く手に入れる」という考え方が、自然と身についていたのかもしれません。

今は、100円ショップでもフロスが買える時代になりました。でも、私は買いません。100円でも、巻いてある糸の長さが短いからです。正規品はだいたい3倍あります。1個の値段だけを見れば安いのですが、使える回数で割れば、決して安くはありません。

同じ100円でも、意味がまるで違います。バンコクの100円は「同じものが安い」。100円ショップの100円は「安いけれど、同じものではない」。だから私は、前のほうは何個も買って帰り、後のほうは買わないのです。

私は歯と歯の間がとても狭く、詰まりやすい体質です。

歯の間にフロスを通している様子のイラスト歯間ブラシもなかなか入りませんし、糸ようじを使うと1回でぷつんと切れてしまいます。だから私には、糸だけのフロスがとても合っています。フロスを差し込んで擦っていくと、狭い歯の間からでも、思った以上に汚れが出てきます。全部やり終えると、あんなに狭かった歯の間に、すっと空間ができたような感覚があって、きれいになった実感が湧きます。最後に、その隙間にリステリンを流し込むようにして、フィニッシュするのが私の毎日の流れです。

小さな節約が、積み重なっていく

歯磨き粉を少しだけ使う。リステリンを水で薄めて使う。フロスは安いところでまとめ買いする。一つひとつは、本当に小さな工夫です。でも、この工夫のおかげで虫歯にならず、歯医者にかかる回数も減りました。治療費もかからず、通院にかかる時間も節約できています。

介護の仕事は、決して収入の多い仕事ではありませんでした。それでも60代でFIREにたどり着けたのは、こういう地味な積み重ねが、あちこちにあったからだと思っています。歯磨き粉一本、リステリン一本の工夫は小さくても、40年続ければ、決して小さな差ではありません。

朝のリステリンの匂い

当時のリステリンは、香りもかなり強いものでした。私自身はその匂いに慣れていましたが、そのまま出勤すると「何か使ってる?」と聞かれることもありました。
今ほどマウスウォッシュが一般的ではなかった時代なので、独特な香りだったのだと思います。

まとめ・歯を守ることは、暮らしを守ること

満面の笑顔の女性のイラスト
私は、特別きれいな歯を持っているわけではありません。
でも、60代になった今でも、自分の歯でおいしくご飯を食べられています。歯医者に通う回数が少なくて済んでいるのも、正直、暮らしの中では地味に助かっています。

40年前に漫画で知ったフロス。20年前に教わった歯磨きのコツ。そして、自分なりに工夫しながら続けてきたこと。どれも小さなことばかりでした。でも、その小さな積み重ねが、健康にも、家計にも、そして今の私の暮らしにも、ちゃんとつながっていたのだと思います。

※歯磨きの方法や商品の使い方には個人差があります。あくまで私自身の体験としてお読みください。


【書いた人】
のらりくらりゆる〜く生活のストレスを排除しながらプチ節約をして、介護職でもひとりでも20年で住宅ローンを一人で完済。アラ還でFIREに辿り着いたりすねえです。

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