お正月になると初詣で達磨(だるま)を縁起ものとして売っていますよね。我が家では丸くてなんとなくかわいい⁈イメージもあるので小さいのモノを色違いで3つ買って帰ります。夫はすぐに目を入れなければと意味も解らず力説します。だるまっていったい何者なんでしょうね?今年も新しくなっただるまを横にご説明いたします。
「だるま」ってなに?
「だるま」にはモデルがいて、達磨大師という禅宗の祖師が根源のようです。南インドから中国に渡り現在の禅宗を伝え、日本へも広めたと言われています。達磨大師は9年にわたって座禅を行ったために手足が腐ってしまったという伝説があります。これをモデルに、鎌倉時代に達磨大師のような強い意思で「大願成就に向かって努力する」という意味で手足のない置物が作られました。
現在の形のだるまが作られたのは江戸時代からです。室町時代の底の丸い「起き上がり小法師」の置物が伝わり「困難や苦労にもくじけない」という思いが込められています。
「だるま」はなぜ赤い?
最近はだるまはいろんな色のものがあります。一般にだるまのイメージは赤ですね。陳列されているだるまもほぼ赤ではないでしょうか?昔から赤には特別な力が宿されていると考えられていました。これには意味があって、火や血の色も赤、人を高揚興奮させる色でもあります。これが魔除けの効果があると信じられ、無病息災や勝負事に効果があると信じられてきたのでしょう。
現在では赤色のだるまは「家内安全」や「開運吉祥」の意味が込められています。
「だるま」はどこに飾るもの?飾る意味とは?
江戸時代にだるまは縁起物として飾られるようになりました。特に場所の指定はないようです。
神棚に置かれている家庭も多いのではないでしょうか?仏教(禅宗)からの由来物なので神棚に置くのはおかしいという説もあります。
縁起物ですので、願いを叶えてくれるものとして信じられていますので、吉方や南位やきれいな場所に置いてあげましょう。吉を呼び込むという意味で玄関に飾ると良いとも言われています。
そして1年を期間でだるまを交換しましょう。
「だるま」に目を入れる意味とは?
はじめから「だるま」に目を入れる習慣があったわけではありません。
江戸時代に疱瘡という病気が流行り、目の病気にかかる人々が多く目の大きな「だるま」が回復祈願のために人気を集めました。そして、目の入っていないだるまが作られるようになり、自分の好きな目を入れられうようにしました。目を入れることで「画竜点睛」や「点睛開眼」ができると考えられました。
だるまの目を入れる順番は?両目をいれましょう!
だるまの目入れの順番は、願い事をする時に左目を書き入れ、長いごとがかなった時に右目を書き入れると言われています。(地方によっても違います)入魂や開眼を表現したものだとされています。
しかし、これは選挙の影響だと言われています。選挙で当選したときに、片目を入れて祈願成就のパフォーマンスとしてアピールしたことで、片目を入れる印象が強くなったようです。
しかし、本来「だるま」は願いを叶えて頂けるようにと祈願するものですから、片目であるよりきちんと両目を見開いていただいていた方がご利益のパワーが発揮できます。その証拠に、だるまの発祥地(群馬・長野)などでは、最初から両目に目が入っています。だるまの目に魔除けの力がありあす。テレビの影響で魔除けから願掛けに変わってきたために白目や片目のだるまが出はじめたのです。ちゃんと両目を見開いてもらって、見守っていただきましょう。
余談ですが、最近は選挙でこの光景を見なくなりました。実は片目、両目という点で視覚障害団体からクレームが上がったそうです。両目が完全で片目では成就できないのかという偏見を招くとのことです。心の目を指したもので決して差別的なものではないのですが、やはり誤解を招くということで最近はこの光景は見られなくなったようです。
「だるま」の供養方法は?
さて、祈願成就しただるまはどのようにしたら良いのでしょうか?先ほども書きましたがだるまのご利益は1年と考えられています。考え方はお守りやお札と同じです。
ですから、成就してもしなくて供養しましょう。だるまを買った場所に持っていき、納めてお炊き上げしていただくのが一番です。しかし、難しい場合は近所のお寺にお願いするのが良いでしょう。ただし、仏教由来のだるまですから、神社は避ける傾向があります。また、目が潰れると良くないとだるまを持ち込みを嫌うお寺もあるようですので確認したほうが無難のようです。
まとめ
私の中でだるまは我慢強さの「七転び八起」のイメージでしたが、いろんな説があり、比較的自由な発想で伝え影響力を持っていることが判りました。最近は、いろいろな色のだるまがあり願いことも細分化して祈願できるようになっています。
願いの分だけだるまがあっても良いかもしれないですね。
コメント