老後のことや介護のことなんてずっと先のことと思っていました。ケアマネジャーという言葉をよく耳にします。だんだんそういう年になってきたのですね。親のこと自分のこと、今から少し知っておくと将来の生活に不安が出た時に大変役に立ちます。ちょっと入り口だけかじってみましょう。
ケアマネジャーってなに?
介護が必要になった時に、公的手段で支援を利用できるように調整をしてくれる人です。
法律なら弁護士、家を建てるなら設計士や大工、病気なら医師や看護師といった具合に、介護の時はケアマネジャー(介護支援専門員)が担います。
公的介護サービスは、介護保険を利用して年をとっても自宅で日常の暮らしができるようにするものです。介護保険の中のいろいろなサービスを組み合わせてプランを作り調整をして使えるようにするのがケアマネジャーです。介護(ケア)∔計画(マネジメント)=ケアマネジャーです。
どんな人がなるの?
ケアマネジャーは、介護・医療・福祉分野の何らかの国家資格を持っています。介護福祉士、須赤井福祉士、医師、看護師、歯科衛生士、管理栄養士、精神保健福祉士等、多岐に渡ります。5年以上の対人実務経験を経てケアマネジャー試験に合格したがなれます。
何処にいるの?
「居宅介護支援事業所」にいます。聞き慣れない言葉ですが、公的介護サービスですから、役所に聞くと教えてくれますので心配しないでください。住まいの周りに何か所かあるはずです。また、包括支援センターでも教えてくれます。市町村で冊子がありますのでもらって確認すると良いでしょう。
ただし「居宅介護支援事業所」もいろいろあります。ヘルパー会社やデイサービス、病院や訪問看護、訪問入浴等を併設されている場合が多くあり、それぞれ特徴があります。またどこにも属さない単独居宅もあります。複数人所属している場合もありますし、一人の場合もあります。
具体的な業務について
介護保険サービスは、ケアプランを作成して初めて使えるルールです。それを作成するために、サービスを必要とする人(以下=利用者)に対して、必要な介護サービスの提案。介護保険の申請の代行。ケアプラン(計画書)の作成・行政、介護サービスの各種手続き代行・調整等を行います。
ケアプランはケアマネジャーに頼まずに自分で作成することも可能です。しかし細かなルールがありケアマネジャーに依頼するのが一般的です。会社で経理士に頼んだり、裁判で弁護士に頼んだりすることと同じです。
ケアマネジャーの探し方
リスト冊子から選ぶ
「要支援」と「要介護」では方法が違います。
「要支援」の人は地域包括支援センターの職員が担当します。ほぼ選べません。
「要介護」に認定された人は、複数ある居宅支援事業所のケアマネージャーをご自身で選ぶことが可能です。ケアマネージャーを探すには、一般に役所の介護保険課や地域包括支援センターでリストや冊子をもらい、そこから選びます。公的機関は公平性を保つため、決まった一ヶ所の事業所やケアマネジャーを紹介することが出来ません。
口コミから探す
近所でおじいさんおばあさんがケアマネジャーのお世話になっていないでしょうか?もし、近所でケアマネジャーを利用していたら聞いてみると良いと思います。良いケアマネジャーが担当している場合はすぐに紹介してもらえる傾向があります。ダメな場合は、愚痴も聞けてダイレクトな情報をもらえます。
どんな人がいいの?
それが判っていたら苦労しませんね(笑)
使うサービスによっても、いろいろなカラーのケアマネジャーがいます。もちろん、経験が浅い新人も要れば経験豊富なベテランケアマネジャーもいます。しかし、一番の選ぶポイントは人柄と能力です。
・話を時間をかけて聞いてくれるか。
・介護保険のシステムをきちんと説明してくれているか。
・無理やりサービスを押し付けてこないか(自分の併設サービスを意図的に紹介)。
・電話やメールが繋がりやすいこと。
・不安や困っている部分を判ってくれている安心感があるか。
・書類をきちんと定期的に渡してくれているか。
・介護保険以外のサービスの提案をしてくれるか。
ケアマネージャーは老後の生活の相談をする役割の人ですから、何より信頼できる相手かどうかが一番ではないでしょうか?インスピレーションも大切です。
上手な付き合い方
自分もしくは自分の家族のことですから、希望はなるべく具体的に話しましょう。専門的な言葉は必要ありません。どんなことが困っていて、どのようになったら安心なのか。将来はどうしていきたいのかをお話ししましょう。その話や状況からケアマネジャーは適切なプランを作り上げていきます。個人情報の守秘義務もありますので安心してお話してください。手続きに関しては代行しますので安心して任せても大丈夫ですが、ケアプランについては積極的に参加しましょう。
ケアマネジャー交代できます
どうしても不満や不信があった場合には、本人や家族の意思で交代することが可能です。
いつも留守で連絡が取れなかったり、暴言,一方的なサービスの提案、毎月来ない等の理由があると思います。本当は女性のケアマネが良かったのに・・・というケースもあります。
我慢する必要はありません。きちんと話ができるか、将来をゆだねられるかがポイントです。
居宅介護事業所に申し出てください。
サービスは継続
ケアマネジャーを交代してもそのままサービスを使うことができます。交代した新ケアマネジャーが準備をしてくれるので心配は要りません。また一緒に話をしながらサービスを受けましょう。
言いにくい場合は、区役所の介護保険課や地域包括支援センターに相談してみるのも良いでしょう。ひとりで抱え込まないことが大切です
まとめ
介護保険サービスは本当に便利なシステムです。国の援助がありますので、安い料金で困った部分を支援してくれます。最初は難しいかもしれませんが、自分に合ったケアマネジャーを探し担当してもらい、自分らしい生活を送っていきたいものです。
コメント