慣れ「ご愁傷様」のない職場

備忘録「慣れ」

私は以前、病院勤務をしていたことがあります。
中規模の病院では、専門職以外のいろんな雑用もあります。
トイレ掃除も自分たちで行います。

会議や雑務に追われての残業や仕事の持ち帰り。
仕事の持ち帰りは、個人情報等イロイロあるのでこっそりだったり
クラウドに連携して期日に間に合わせたり。

病院という職種がら、毎日、ご臨終の方々がいます。
担当した翌日には逝去され、うっかりするとその書類の整理も山のように溜まります。

この歳になると、仕事以外に子育てや介護が生活の中に入ってきます。

自分以外のことで時間を費やすことも多くなります。
加えて更年期が始まり、身体のコントロールもきかなくなってきます。
毎日が必死です。

本当に必死です。

義母が弱ってきます。
施設に2年がかりで入れたものの、コロナが流行しました。
思うように面会できません。

ありがたいことに、私は義母に可愛がってもらえました。
夫(息子)抜きで旅行に行き、施設面接も息子より通っていました。
よく「娘さん来ましたよ」と声をかけられ、
「嫁です。義母は娘は産んでません」なんて冗談を言っていました。

コロナ禍では、
モニター越しの面会が続きます。
施設からの報告と画面の義母が一致しません。

かなり歯がゆい思いでした。

医師からは「あと1か月」との宣告を受けました。
必死で面会条件がゆるく直接会わせてくれる施設を探し、
否応なしに金額の高い施設に入所させました。

実際は10日間で他界しました。

忌引きの休暇をとり、葬儀や嫁仕事をおこないました。

このタイミングで職場の病院が〇周年のイベントがありました。
部門の管理職として、スピーチするようにと人事から依頼がきました。

「?」
判ってるのかな?家族が死んだんだよ。
心でで思いつつサラリーマンの性で、時間をこじ開けました。

出勤。
職場はイベント感で、院長はじめスタッフの高揚している感が伝わりました。
それに合わせてスピーチをしました。

「?」

スタッフ誰一人として、私にお悔やみの言葉をかけてくれた人はいませんでした。
そう毎日、今日死ぬか、明日死ぬか、、とバタバタと仕事をしながら動いていた私を見ていた
部下さえも。

職場の環境で人が他界する状態に慣れてしまったのか、、、。

逆に誕生日、結婚、出産等に関して
なんとも盛大にお祝いをします。

嬉しいことって、どんなことがあっても嬉しいんですよね。
声なんてかけくれなくても嬉しいのです。

転職が多い私にとって、いちばんお看取りの多い職場での
この対応はどうだった?と今でも感じています。

追記:
親友に話したところ
「思いは後あとの自分を振りかえれるから残しておいた方がいいよ」
とアドバイスをもらいました。
のらりくらりと生活をしていますが、ここに残すことにしました。

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